食品添加物

酸化チタンとは?発がん性あり?食品やサプリの危険性は?

保坂陽平

酸化チタンとは、金属のチタンに酸素がくっついてできる化合物のことで、二酸化チタンとも呼ばれます。

化粧品、サプリ、日焼け止め、食品にもよく使用されている添加物ですが、発がん性の疑いがあるとも言われていて、摂取しても問題ないのか不安ですよね。

そこで、酸化チタンの発がん性や危険性について深掘りし、酸化チタンが含まれている食品やサプリを経口摂取しても毒性はないのか調査しました。

酸化チタンの特徴と用途

酸化チタンの特徴は、白色で光沢があり、着色力が高いこと。

白色塗料やインクの原料、食品の着色料、サプリのコーティング剤、歯のホワイトニングなど様々な用途で使われています。

また、紫外線をブロックする性質もあるため、日焼け止めなどの化粧品にも使われています。

酸化チタンの発がん性について

厚生労働省の見解

「酸化チタン 発がん性」で検索すると、厚生労働省の「酸化チタン (Ⅳ)の健康障害防止措置について」という資料が出てきました。

こちらの資料を見てみると、「ヒトに対する発がん性が疑われる」とはっきりと書いてあります。

ただ、資料を詳しく読んでみると、「吸入による健康障害のおそれがある」とされています。

酸化チタンという物質そのものと言うより、「ナノ粒子」としての危険性が指摘されているようです。

厚生労働省の別の資料を見てみると、「経口摂取された二酸化チタンは実質的に無害と考えられている」とあります。

出典:有害性総合評価

つまり、「二酸化チタン(=酸化チタン)が含まれているサプリや食品を口にするのは問題ない」と言えます。

この2つの資料から、厚生労働省の見解をまとめると次のとおりです。

  • 酸化チタンには発がん性が疑われる
  • 酸化チタンを吸引するのは危険
  • 酸化チタンを経口摂取するのは実質的に無害

「焦げを食べると癌になる」って言われているのと同じで、そこまで気にする必要はないということでしょうか。

欧州では食品添加物としての使用を禁止

欧州では、欧州化学物質庁(ECHA)によって二酸化チタンが発がん性物質に分類されています。

ただ、ここでも「吸入された場合は発がん性物質として分類される」とされており、経口摂取による危険性については触れられていませんでした。

出典:New guide available on classifying and labelling titanium dioxide

しかし、2022年1月14日、欧州委員会(EC)によって「食品添加物としての二酸化チタンの使用を禁止する」ことが採択されました。

「二酸化チタン(E171)はもはや安全であるとは言えない」と結論付けたとのことです。

「遺伝子毒性に関する懸念の可能性があるため」と、癌につながる可能性も指摘されています。

出典:二酸化チタンに関する質問と回答

酸化チタン自体に遺伝子毒性があるとされた訳ではないものの、「長期的にどんな影響が出るのかわからない」ということでしょう。

欧州で決まったことは、日本にも波及してくる可能性は十分にあります。

もしかすると今後、日本でも酸化チタンが含まれている食品やサプリがなくなるかもしれませんね。

酸化チタンが含まれている化粧品やサプリは危険?

結局のところ、酸化チタンの発がん性については「わからない」というのが答えになるかと思います。

ただ、少なくとも酸化チタンが身体に良いことはなさそうです。

酸化チタンはあくまでも「着色料」であり、味を良くしたり、栄養価を高めたりするものではありません。

見た目を良くすることで購買意欲を高めるのが一番の目的でしょう。

大量に摂取しなければ問題ないのかもしれませんが、化粧品もサプリもできるだけ酸化チタンが含まれていないものを選びたいですね。

参考書籍

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やんぴん
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薬草コーディネーター/雑草料理研究家
うつ病で社会から脱線した完全在宅ワークのフリーランス。穏やかに生きる術を模索しています。家庭菜園で自然栽培に挑戦中。卵は鶏から頂いております。ヘヴィメタルとビールがセロトニンです。
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